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請求書と電卓、鉛筆が並ぶ机の上の写真。相続手続きで発生した高額請求をイメージ。

Episode4 専門家選びの重要性|高額請求に悩まされたO様のエピソード

【このエピソードは、お知り合いであるO様の体験を、O様から許可をいただき掲載します。】

ある日突然訪れた相続の現実

Oさんは、昨年3月にお父様を亡くされました。お父様には持病があり、心の準備はできていましたが、お母様とお父様は実質的に離婚状態にあること、お姉様はカナダ在住など、国内で動けるのはOさんだけであり、お父様の死後に発生する手続きをすべて、Oさんが担うことになりました。

『父親が経営していた会社のこと』、『残された借入金』等、不安と混乱の中、死後の手続きと相続手続きに追われていました。

紹介された行政書士との出会い

そんな折、父親の会社でお世話になっていた社労士から、行政書士Tを紹介されました。知人からの紹介であれば安心して任せられると思い、行政書士Tに相続手続きを依頼しました。ところが、この出会いがOさんにとって苦難の始まりとなります。

最初のうちは丁寧に対応してくれた行政書士T。ですがあるとき、家族間で進捗状況を共有するため、簡単な説明資料の作成を依頼しましたが、「そういったことはしていません」と冷たく断られてしまいました。その後も、『財産目録を作ってもらえない』、『質問しても要領を得ない回答しか返ってこない』など、不安は募るばかり。子育て最中のOさんにとって、自分に寄り添ってくれない行政書士Tの対応は大きなストレスとなりました。

契約書と高額請求

それでも何とか遺産分割協議書の作成までこぎつけ、「ようやく終わった」と胸をなで下ろした、その矢先…。行政書士Tから届いた請求書には約480万円の文字が。Oさんは目を疑います。Tに説明を求めると、「こちらの契約書にサインをいただいています」と一枚の書類を提示。しかし、その契約書(のようなもの)にはOさんの署名はあるが、Tの署名も押印もないものでした。さらに、控えも渡されておらず内容の説明も受けていないとのこと。当時のOさんは不安と混乱の中で、言われるまま署名してしまったようです。

助言と弁護士との再出発

丁度そのころ、ちょっとした縁でOさんとお知り合いになり、本件について助言を求められました。

当然ながら弁護士ではないため、本件にかかわることはできませんが、Tからの請求は一般的な報酬と比較して著しく高額であるものの違法とまでは言えないこと、Tも士業であるため、Tとの交渉は弁護士を立てるべきとの助言をさせていただきました。

結果として、弁護士を通じた交渉の末に請求金額を大幅に減額することで和解しました。

専門家選びの重要性

今回、O様は心の余裕がない状況で相続手続きにあたったこと、また、Tの報酬根拠が、遺産分割協議ではあまりみない相続財産額に応じた請求であったため、高額になったようです。 ※行政書士が受ける報酬額については、行政書士各々が自由に定めることができるため、Tの請求が一概に違法とは言えない状況です。

この事例が示すように、相続は「誰に頼むか」で結果が大きく変わります。「説明が丁寧か」「相談しやすいか」「費用の根拠が明確か」など、信頼関係を築ける相手を選ぶことが、何より大切だと思います。

相続こぼれ話

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